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主要6港コンテナ1.0%増 大阪港の輸入6.1%増と物流への影響

2026.09.01 コラム

主要6港のコンテナは1.0%増。それでも物流全体が好調とは言い切れない理由

― 輸入増と大阪港の動きから考える「港の先の物流」 ―

はじめに

2026年8月27日、国土交通省は2026年6月分の港湾統計速報を公表しました。

東京港、川崎港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港の主要6港における外国貿易貨物のコンテナ個数は、119万5,224TEUとなり、前年同月比1.0%増加しました。

数字だけを見ると、日本の港湾貨物が順調に増えているように感じるかもしれません。

しかし、内訳を見ると、輸出はほぼ横ばいで、輸入が2.0%増加しています。また、東京港と横浜港が前年を下回る一方、名古屋港、大阪港、神戸港は増加しており、港によって動きが異なります。

大切なのは、「全体で1.0%増えた」という結果だけを見ることではありません。

どの港で、輸出と輸入のどちらが動いているのか。その変化が、港から先の倉庫、工場、配送センター、トラック輸送にどのようにつながるのかを考えることが重要です。

この記事では、2026年6月の港湾統計から、物流の現場で確認しておきたいポイントを分かりやすく整理します。

目次

  1. 主要6港の外貿コンテナは前年同月比1.0%増

  2. 増加を支えたのは輸出ではなく輸入

  3. 関東と中部・関西で異なる港の動き

  4. 大阪港は4.5%増、輸入は6.1%増

  5. TEUの増加だけでは物流の実態は分からない

  6. 港の情報を陸上物流の準備につなげる

  7. 丸共協同株式会社が考える「情報をつなぐ物流」

  8. よくある質問

  9. まとめ

1.主要6港の外貿コンテナは前年同月比1.0%増

国土交通省の港湾統計速報によると、2026年6月の主要6港における外国貿易貨物のコンテナ個数は、次のとおりです。

区分 コンテナ個数 前年同月比
合計 1,195,224TEU 1.0%増
輸出 597,388TEU ほぼ横ばい
輸入 597,836TEU 2.0%増

出典:国土交通省「港湾統計速報(令和8年6月分)」

TEUとは、20フィートコンテナ1個を1TEUとして換算する単位です。40フィートコンテナは2TEUとして数えられます。

主要6港の合計は前年同月を上回りましたが、増加率は1.0%にとどまっています。

最近3か月の前年同月比を見ると、2026年4月は0.9%増、5月は0.1%増、6月は1.0%増でした。前年を上回る状態は続いているものの、力強い拡大というより、小幅な増加が続いていると見る方が適切です。

なお、港湾統計の速報値は、その後に公表される港別集計値や港湾統計月報で改訂される場合があります。本記事では、2026年8月27日に公表された国土交通省資料の前年同月比を使用しています。

2.増加を支えたのは輸出ではなく輸入

今回の数字で最初に確認したいのは、合計の増加を支えたのが輸入だったことです。

輸出は59万7,388TEUで、前年同月とほぼ同じ水準でした。一方、輸入は59万7,836TEUとなり、前年同月比2.0%増加しました。

輸入コンテナが港に到着すると、そこで物流が終わるわけではありません。

港から倉庫へのドレージ輸送、倉庫での保管や荷役、工場への原材料・部品輸送、配送センターから店舗や納品先への輸送など、その先には多くの陸上物流があります。

そのため、輸入の増加は、港に近い地域だけの話ではありません。港から内陸部へ向かう車両の確保、倉庫の受入体制、荷役時間、納品予約などにも関係する情報です。

ただし、輸入コンテナが2.0%増えたからといって、すべての地域、品目、運送会社で荷物が一律に2.0%増えるわけではありません。

統計は変化の入口です。その後に、品目、方面、納品時期などの情報を重ねて考える必要があります。

3.関東と中部・関西で異なる港の動き

港別の結果を見ると、地域による違いがはっきりしています。

合計 輸出 輸入
東京港 367,548TEU、0.3%減 3.3%増 3.1%減
川崎港 7,567TEU、13.8%増 23.6%増 3.9%増
横浜港 237,138TEU、3.3%減 8.4%減 3.3%増
名古屋港 221,046TEU、3.0%増 1.1%増 5.1%増
大阪港 179,474TEU、4.5%増 2.8%増 6.1%増
神戸港 182,451TEU、3.3%増 1.8%増 5.0%増

東京港は輸出が増えましたが、輸入が減少したため、合計では0.3%減となりました。

横浜港は輸入が3.3%増えた一方、輸出が8.4%減少し、合計では3.3%減となっています。

これに対して、名古屋港、大阪港、神戸港は輸出入とも前年を上回りました。特に3港とも輸入の伸びが輸出の伸びを上回っています。

つまり、主要6港全体の1.0%増は、すべての港が同じように増えた結果ではありません。関東の一部港の減少を、中部・関西の増加が補った形です。

川崎港は13.8%増と高い伸び率ですが、取扱個数は7,567TEUで、主要6港全体に占める割合は約0.6%です。伸び率の大きさだけでなく、取扱規模も合わせて見る必要があります。

4.大阪港は4.5%増、輸入は6.1%増

関西の物流を考えるうえで注目したいのが、大阪港の動きです。

大阪港のコンテナ個数は17万9,474TEUで、前年同月比4.5%増となりました。輸出は2.8%増、輸入は6.1%増です。

主要6港の中では、川崎港を除く大規模港の中で大阪港の合計伸び率が最も高く、輸入の伸びも最も大きくなっています。

大阪港に到着した貨物は、大阪府内だけで消費されるわけではありません。兵庫、京都、奈良、滋賀、和歌山をはじめ、中国・四国方面や中部方面へ輸送される貨物もあります。

輸入貨物の動きが強まれば、港から物流拠点への輸送だけでなく、その後の地域配送や幹線輸送にも影響する可能性があります。

ここで必要になるのが、早い段階での情報共有です。

入港予定、コンテナの搬出時期、デバンニングの予定、倉庫の受入可能時間、納品先、納品期限などが早くつながれば、車両や人員を準備しやすくなります。

反対に、貨物が港に到着してから急いで車両を探す状態が続けば、荷待ちや待機、空車移動、急な運行変更が発生しやすくなります。

5.TEUの増加だけでは物流の実態は分からない

港湾統計を読むときには、数字の範囲にも注意が必要です。

第一に、今回の統計は東京港、川崎港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港の主要6港を対象とした速報です。日本全国すべての港を合計した数字ではありません。

第二に、TEUは貨物の重量や金額ではなく、コンテナの大きさを20フィート単位に換算した個数です。軽い貨物と重い貨物、高額な部品と日用品も、同じ大きさのコンテナであれば同じTEUとして数えられます。

第三に、コンテナ個数には実入りコンテナだけでなく、空コンテナも含まれます。

したがって、「コンテナが1.0%増えたから、国内のトラック輸送量も1.0%増えた」と単純に置き換えることはできません。

物流の実態を確認するには、港湾統計に加えて、貨物量、品目、貿易額、船舶の運航状況、倉庫の稼働状況、地域別の輸送需要などを組み合わせて見る必要があります。

6.港の情報を陸上物流の準備につなげる

国土交通省によると、日本の貿易量の99.5%は港を通じた海上輸送です。港は海外と国内を結ぶ場所であると同時に、海上輸送と陸上輸送をつなぐ重要な結節点です。

しかし、海上輸送と陸上輸送の情報に時間差があると、物流の無駄が生まれます。

たとえば、輸入コンテナの到着や搬出予定が早く分かれば、荷主様は倉庫の受入体制や納品計画を準備できます。運送会社様も配車を検討し、輸送先が決まった段階から帰り荷を探すことができます。

情報が遅ければ、車両を確保できても帰り荷を探す時間が足りず、復路が空車になる可能性が高まります。

港湾統計は月単位の大きな数字ですが、その変化を日々の入港情報や出荷予定につなげていくことで、現場の判断材料になります。

大切なのは、数字を知ることだけではありません。

数字から少し先の物流を予測し、必要な情報を必要な相手へ早くつなぐことです。

7.丸共協同株式会社が考える「情報をつなぐ物流」

物流の効率化というと、AI、物流ロボット、自動運転などの新しい技術が注目されます。

もちろん、これらの技術は重要です。しかし、技術を導入する前にもできることがあります。

荷物が、いつ、どこから、どこへ動くのか。

車両が、いつ、どの地域で空くのか。

倉庫が、いつ、どれだけ受け入れられるのか。

こうした情報を少し早く共有するだけでも、配車の選択肢は増えます。荷待ちや空車移動を減らし、帰り荷を探す時間を確保することにもつながります。

今回の港湾統計では、輸入の増加と港ごとの違いが確認できました。

重要なのは、全国一律に「荷物が増えた」と捉えることではなく、地域ごとの変化を早くつかみ、陸上輸送の準備につなげることです。

丸共協同株式会社は、港湾、倉庫、荷主様、運送会社様の情報が早くつながることで、物流の無駄を減らせると考えています。

8.よくある質問

Q1.主要6港のコンテナが1.0%増えたのは、物流需要が回復しているということですか?


前年同月を上回ったことはプラス材料ですが、1.0%増は小幅な伸びです。また、輸出はほぼ横ばいで、東京港と横浜港は合計が前年を下回っています。この数字だけで物流需要が全面的に回復したとは判断できません。

Q2.大阪港の輸入が6.1%増えると、関西のトラック輸送も同じ割合で増えますか?


同じ割合で増えるとは限りません。TEUには空コンテナも含まれ、貨物の重量や配送件数を示す数字ではないためです。ただし、港から倉庫や工場へ向かう輸送需要を考えるうえで、注目すべき情報です。

Q3.荷主や運送会社は港湾統計をどのように活用できますか?


月ごとの増減だけでなく、利用する港、輸出入の区分、入港予定、搬出時期、納品方面などを合わせて確認することが重要です。荷主様は倉庫や納品計画を準備し、運送会社様は車両配置や帰り荷の探索を早く始められます。

9.まとめ

2026年6月の主要6港における外国貿易貨物のコンテナ個数は、119万5,224TEU、前年同月比1.0%増となりました。

ただし、その内訳は輸出がほぼ横ばい、輸入が2.0%増です。港別では東京港と横浜港が前年を下回る一方、名古屋港、大阪港、神戸港が増加しました。

特に大阪港は合計で4.5%増、輸入は6.1%増となっており、関西の陸上物流を考えるうえで注目したい動きです。

物流の現場に必要なのは、「全体で何%増えたか」という結果だけではありません。

どの地域で、どの方向の貨物が動いているのかを早く知り、車両、倉庫、荷役、納品の準備につなげることです。

情報が早くつながれば、物流はもっと計画的に動かせます。

港の数字を、港だけの情報で終わらせない。

その先の輸送を考えることが、これからの物流効率化につながります。

参考資料

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