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事例紹介 WORK

運輸業の72.2%が人手不足 外国人材と物流の課題

2026.10.01 コラム
外国人材と日本人スタッフが物流センターで配送計画を確認し大型トラックを背景に協力するイメージ

運輸業の72.2%が人手不足 外国人材と持続可能な物流を考える

受け入れ企業の73.7%が新たな受け入れが困難になれば事業運営に支障と回答

 

冒頭要約

2026年9月15日、日本商工会議所と東京商工会議所は、全国の商工会議所会員企業を対象とした「多様な人材の活躍等に関する調査」の結果を公表しました。調査では、運輸業の72.2%が人手不足と回答し、建設業に次ぐ高い割合となりました。

さらに、すでに外国人材を受け入れている運輸業のうち、今後、新たな受け入れが困難になった場合に「事業運営に支障が生じる」と回答した割合は73.7%でした。

ただし、この73.7%は運輸業全体の割合ではありません。外国人材を受け入れている運輸業を対象とした仮定の質問であり、「運輸会社の73.7%が外国人材を雇用している」「現在すでに73.7%の会社で支障が発生している」という意味ではありません。

この調査から読み取れるのは、運輸業の人手不足が深く、外国人材が一部の企業ですでに事業運営を支える存在になっていることです。一方、採用人数を増やすだけでは、物流の持続可能性は確保できません。待遇、安全教育、定着支援に加え、荷待ちや荷役の見直し、正確な輸送情報の共有、適正な運賃・料金によって働き続けられる環境を整える必要があります。

調査の概要

今回の調査は、中小企業における人手不足の状況と対策、外国人材など多様な人材の活躍、仕事と家庭の両立、リスキリングの状況を把握し、今後の要望活動に活用する目的で実施されました。

項目

   内容

発表主体

   日本商工会議所・東京商工会議所

公表日

   2026年9月15日

調査期間

   2026年7月21日から8月21日

調査地域

   全国47都道府県

回答企業数

   2,654社

回収商工会議所数

   283商工会議所

調査対象

   各地商工会議所の会員企業

調査方法

   各地商工会議所を通じて依頼しWebフォームなどで回答


一次資料が示す主な数字

調査項目

  割合

  対象と条件

人手不足と回答

 60.0%

  全回答企業

人手不足が事業運営に影響・支障

 48.2%

  人手不足と回答した企業

運輸業の人手不足

 72.2%

  調査に回答した運輸業

外国人材を受け入れている

 25.1%

  全回答企業・全業種

新たな受け入れが困難なら事業運営に支障

 65.9%

  外国人材を受け入れている企業・全業種

同じ質問に対する運輸業の回答 

 73.7%

  外国人材を受け入れている運輸業

外国人材の受け入れを拡大すべき

 55.6%

  全面的な拡大と人手不足の業種・地域に限った拡大の合計

デジタル活用などによる省力化

 40.2%

  人手不足への対策


注記 25.1%は全業種の外国人材受け入れ割合であり、運輸業だけの受け入れ割合ではありません。運輸業の73.7%と掛け合わせて、運輸業全体に占める割合を計算することはできません。

73.7%を読む際の注意点

運輸業全体を示す数字ではない

73.7%の対象は、すでに外国人材を受け入れている運輸業です。外国人材を受け入れていない会社は、この数字の母数には含まれません。

現在の支障を集計した数字ではない

質問は「新たな受け入れが困難となった場合」を想定したものです。現時点で新規受け入れが停止していることや、すでに73.7%の会社で支障が発生していることを示した数字ではありません。

トラック運送会社や運転者だけの数字ではない

一次資料の公表概要は「運輸業」という業種区分を使用しています。トラック運送会社だけを抽出した割合や、外国人ドライバーだけを対象とした割合として扱うことはできません。また、外国人材の職種別内訳も公表概要からは確認できません。

日本の全事業者へ単純に当てはめない

調査対象は各地商工会議所の会員企業で、回答はWebフォームなどにより集められました。中小企業の実態を知る有力な調査ですが、日本の運輸業全体を無作為抽出した統計ではないため、全事業者の割合としてそのまま置き換えない注意が必要です。

調査結果から見える運輸業の課題

人手不足は採用だけの問題ではない

運輸業の72.2%が人手不足と回答した事実は、人材確保が多くの企業に共通する経営課題であることを示しています。しかし、必要な人数を採用できても、教育や定着が進まなければ、安定した輸送体制にはつながりません。

外国人材を受け入れる場合も、担当業務と必要な資格を明確にし、安全ルール、作業手順、事故や異常時の連絡方法を確実に伝える必要があります。言葉だけに頼らず、写真、図、動画、実演を組み合わせることも現場での理解を助けます。

受け入れと適正な制度運用は両立する

調査では、55.6%が外国人材の受け入れを全面的、または人手不足の業種・地域に限って拡大すべきと回答しました。一方、国や自治体に求める支援策では「不適切な在留に対する取り締まりの徹底、罰則の強化」が60.6%で最多でした。

この二つの結果は、受け入れ人数だけを増やすのではなく、適正な制度運用と生活・就労環境の整備を同時に求める企業の姿勢として読むことができます。

外国人材が働き続けられる物流現場

外国人材を一時的な人手不足の穴埋めとして扱えば、採用しても定着しにくくなります。日本人と外国人を分けて考えるのではなく、誰もが安全に働き、経験を積み、役割を広げられる職場をつくることが重要です。

担当業務と必要な資格、責任範囲を明確にする

安全手順や作業ルールを分かりやすい日本語と図で共有する

指導担当者を決め、質問や相談ができる環境をつくる

賃金、労働時間、休日、評価基準を分かりやすく説明する

一度の研修で終わらせず、理解度を確認しながら教育を続ける

こうした仕組みは外国人材だけのためではありません。若手社員や未経験者の教育、安全管理の標準化、熟練者の経験継承にも役立ちます。

荷主企業ができる人手不足対策

運輸業の人手不足は、運送会社だけで解決できる問題ではありません。荷主企業が発注方法や荷待ち、荷役条件を見直すことで、同じ人数と車両でも輸送に使える時間を増やせる可能性があります。

確認項目

荷主企業の対応

期待される効果

輸送予定

物量と希望日を早い段階で共有する

運送会社が配車と人員配置を検討しやすくなる

輸送条件

重量、荷姿、積地、卸地、作業内容を正確に伝える

車種違いや現場での手戻りを減らす

時間指定

過度に狭い指定時間や急な変更を見直す

待機時間と運行計画の乱れを減らす

荷待ちと荷役

開始・終了時刻と作業内容を記録する

改善すべき工程と費用負担を確認しやすくする

運賃と料金

基本運賃と待機・荷役などの附帯料金を分けて協議する

人材育成と安全への継続投資を支えやすくする


運送会社が整えたい受け入れ体制

人手不足が続くと、採用を急ぐあまり、教育や業務設計が後回しになることがあります。採用前に、どの業務を任せるのか、誰が教えるのか、必要な資格や安全確認をどの段階で行うのかを整理する必要があります。

採用人数ではなく、配置、教育、定着まで含めた計画を立てる

安全ルールと事故時の連絡手順を共通化する

配車、日報、書類作成などの重複作業を減らす

便別、区間別、車種別の原価と労働時間を把握する

効率化で生まれた時間と利益を、人材、安全、車両へ再投資する

デジタル化が人材不足対策になる理由

今回の調査では、人手不足への対策として「デジタル活用等による省力化」が40.2%となりました。物流現場でのデジタル化は、人を減らすことだけが目的ではありません。電話、FAX、転記、確認連絡などに費やす時間を減らし、人が安全確認や荷主企業との調整に集中できる状態をつくることが重要です。

配車情報、車両情報、積卸し条件、必要書類、作業完了報告を正確に共有できれば、伝達漏れや二重入力を減らせます。外国人材を含む多様な人が働く職場ほど、口頭説明だけに依存せず、誰が見ても分かる情報共有の仕組みが必要になります。

丸共協同株式会社の考察

ここからは、調査結果を踏まえた丸共協同株式会社の考察です。

外国人材は、日本人が敬遠する仕事を任せるための安価な労働力ではありません。同じ物流を支える仲間として、安全に働ける環境と正当な評価を整えることが、受け入れる企業の責任だと考えます。

人手不足を理由に、現場へ無理を重ねるだけでは輸送は続きません。荷主企業は輸送条件を正確に伝え、運送会社は原価と必要な条件を説明し、双方が荷待ちや空車回送、重複作業を減らす必要があります。効率化で生まれた成果を、人材、安全、設備へ戻していくことが重要です。

丸共協同株式会社が大切にする利他(りた)と三方よしは、一方だけが負担を引き受ける考え方ではありません。荷主企業、運送会社、働く人がそれぞれ継続できる取引をつくることが、将来の物流を守る土台になります。

よくある質問

運輸業の73.7%が外国人材を雇用しているのですか

いいえ。73.7%は、すでに外国人材を受け入れている運輸業に対し、新たな受け入れが困難になった場合の影響を尋ねた結果です。運輸業全体の外国人材雇用率ではありません。

73.7%の会社ですでに事業運営へ支障が出ていますか

いいえ。調査は「新たな受け入れが困難となった場合」という仮定の質問です。現時点で支障が発生している企業の割合を示した数字ではありません。

運輸業の72.2%という数字は何を示していますか

調査に回答した運輸業の72.2%が人手不足と感じていることを示します。建設業の77.4%に次ぐ高い割合であり、人材確保が運輸業の大きな経営課題になっていることが分かります。

外国人材を採用すれば人手不足は解決しますか

採用だけで解決するとは限りません。安全教育、業務手順、資格確認、相談体制、待遇、キャリア形成まで整え、働き続けられる職場をつくる必要があります。同時に、荷待ち削減や事務作業の省力化も進めることが重要です。

荷主企業は何を見直せばよいですか

物量と希望日の早期共有、正確な荷物情報、無理のない時間指定、荷待ちと荷役の記録、基本運賃と附帯料金を分けた協議が出発点です。価格だけでなく、安全、品質、継続性も含めて運送会社を選ぶ必要があります。

急ぎのトラック手配にも影響しますか

人手不足が続けば、前日や当日の依頼で手配できる車両が見つかりにくくなる可能性があります。輸送予定、車種、重量、荷姿、積地、卸地、作業条件をできるだけ早く共有すると、運送会社が検討しやすくなります。

まとめ

日本商工会議所と東京商工会議所の調査では、運輸業の72.2%が人手不足と回答しました。また、外国人材をすでに受け入れている運輸業では、新たな受け入れが困難になった場合に73.7%が事業運営への支障を見込んでいます。

重要なのは、この数字を外国人材への依存度や、現在発生している支障の割合と誤解しないことです。調査は、外国人材が一部の運輸企業ですでに重要な役割を担っていることと、人材確保を採用だけで終わらせてはいけないことを示しています。

持続可能な物流には、外国人材を含むすべての働く人が安全に成長できる職場、荷待ちや重複作業を減らす仕組み、適正な運賃・料金が必要です。荷主企業と運送会社が輸送条件と原価を共有し、限られた人と車両を有効に活用することが、安定したトラック手配につながります。

丸共協同株式会社へのご相談

チャーター便、貸切便、スポット便、帰り便、2t・4t・10tトラックの手配や運送会社への見積もりについては、丸共協同株式会社へご相談ください。輸送条件を確認し、荷物と区間に応じた手配を検討します。

丸共協同株式会社 公式ホームページ https://www.marukyo-group.co.jp/

参考資料

日本商工会議所「多様な人材の活躍等に関する調査」2026年9月15日 公式発表

LOGISTICS TODAY「運輸業、外国人材の新規受け入れ難で7割超に支障」2026年9月16日 記事

本記事は2026年9月17日時点で公表されている情報を基に作成しています。

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