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物流2024年問題は解決したのか 官民の取組・成果・2030年への課題

2026.09.18
物流の2024年問題は解決したのかイメージ

物流2024年問題は乗り越えたのか

官民の取組を「実施内容」「成果」「残された課題」から検証する

丸共協同株式会社が考える、2030年へつなぐ物流改革

※本稿は国土交通省、厚生労働省、全日本トラック協会などの公開資料をもとに、丸共協同株式会社が物流現場の視点から独自に考察したものです。公表されている事実と当社の見解を分けて記載しています。


冒頭要約

物流の2024年問題は、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限が適用され、長時間労働を前提としてきた輸送体制では、運べる距離や回数が減少する可能性があるとして注目された問題です。

政府は、商慣行の見直し、物流の効率化、荷主企業・消費者の行動変容を柱に対策を進めました。荷主企業では予約受付、パレット化、納品条件の見直し、運送会社では共同配送、中継輸送、配車のデジタル化などが進められました。消費者にも、再配達を減らす受取方法の選択が求められています。

国土交通省は2026年、以前想定されていた2030年度の約34%の輸送力需給ギャップのうち、約14%を官民の取組の成果などによっておおむね克服したと整理しました。

これは一定の成果です。しかし、同じ資料には、2019年度から2024年度に輸送需要が約12%減少したことも記載されています。約14%のすべてが物流効率化で生み出された輸送力ではありません。

また、標準的な運賃が改正されても、実際の契約運賃が自動的に上がるわけではありません。物量が減少する区間では受注競争が強まり、人件費や車両費が上昇しても運賃が上がりにくい可能性があります。

したがって、2024年問題への官民の取組は、「急激な輸送混乱を抑え、物流改革を制度化した点では一定の成果があった。しかし、適正運賃、人材確保、生産性向上を全国の現場へ定着させる構造改革は、まだ途上」と評価するのが適切です。

目次

  1. 物流の2024年問題とは何だったのか

  2. 官民対策の全体像と流れ

  3. 政府が進めた主な取組

  4. 荷主企業に求められた取組

  5. 運送会社が進めてきた取組

  6. 消費者・通販事業者に求められる取組

  7. 官民の取組をどう評価するか

  8. 「約14%を克服」を過大評価してはいけない

  9. 運賃・料金の適正化はなぜ途上なのか

  10. 2030年へ向けて官民が取り組むべきこと

  11. 丸共協同株式会社が考える不易流行

  12. よくある質問

  13. まとめ


1.物流の2024年問題とは何だったのか

トラック輸送は、ドライバーの長時間労働によって支えられてきた側面があります。

2024年4月から、トラックドライバーにも時間外労働の年960時間上限が適用されました。さらに、改善基準告示に基づく拘束時間、休息期間、連続運転時間などを守りながら運行する必要があります。

これによって表面化したのが、次の課題です。

  • 一人のドライバーが一日に運べる距離や回数が減る

  • 長距離輸送を一人で完結できない場合が増える

  • 荷待ちや荷役時間が長いと、運転時間を確保できない

  • 運送会社が法令を守るほど、従来の運賃では採算が合わなくなる

  • ドライバー不足が進めば、地域や区間によって車両を確保できなくなる

ただし、本来の目的は労働時間規制を緩めることではありません。

長時間労働に依存しなくても荷物を運べる仕組みをつくり、ドライバーの安全と健康を守りながら、必要な輸送力を維持することです。

そのため、2024年問題は運送会社だけの問題ではなく、発注方法、納品時間、荷姿、検品、契約、受取方法まで含めた社会全体の課題となりました。


2.官民対策の全体像と流れ

2024年問題への対応は、労働時間規制だけでなく、物流の取引・現場・経営を段階的に変える形で進められてきました。

時期 主な動き 意味
2023年 ・物流革新に向けた政策パッケージ、物流革新緊急パッケージ ・商慣行、物流効率、荷主企業・消費者の行動を一体で見直す方針を明確化
2024年3月 ・標準的な運賃を改正 ・運賃水準を平均8%引き上げ、荷役の対価等を別途加算する考え方を導入
2024年4月 ・トラックドライバーへ時間外労働の年960時間上限を適用 ・長時間労働を前提とする輸送体制からの転換開始
2025年度 ・改正物流効率化法の努力義務を施行 ・すべての荷主企業・物流事業者へ積載効率向上、荷待ち・荷役時間短縮を求める
2026年度施行分 ・一定規模以上の特定事業者へ追加義務 ・中長期計画、定期報告、物流統括管理者であるCLOの選任などを求める
2030年度に向けて ・輸送力不足対策を継続 ・荷待ち・荷役時間短縮、積載効率向上、新たなモーダルシフトなどを進める


政策は、次の三つの柱で整理できます。

  1. 商慣行の見直し

  2. 物流の効率化

  3. 荷主企業・消費者の行動変容

この三本柱の重要な点は、「運送会社が努力すれば解決する」という考え方から、荷主企業、着荷側の企業、消費者を含めた取組へ変わったことです。


3.政府が進めた主な取組

労働時間と安全管理の適正化

時間外労働の上限適用は、輸送力を制限するための制度ではありません。長時間労働による健康被害や事故のリスクを減らし、トラックドライバーという仕事を持続可能な職業にするための制度です。

運送会社には、拘束時間、休息期間、連続運転時間を考慮した運行計画が求められます。同時に、荷主企業にも、ドライバーの労働時間を圧迫する長時間の荷待ちや契約外の作業を減らす責任があります。

厚生労働省によると、一運行当たりの荷待ち・荷役等時間は、従来の約3時間から、2025年度の調査では2時間2分まで短縮しました。国の目標である2時間以内に近づいた点は具体的な成果です。一方、個別には長時間となるケースが残り、目標を安定して達成した状態には至っていません。

参考:厚生労働省「トラック業界の働き方改革」


標準的な運賃と取引の適正化

国土交通省は2024年3月、トラック輸送の標準的な運賃を改正しました。

主な内容は、運賃水準を平均8%引き上げ、荷役の対価などを別途加算する考え方を示したことです。燃料費、人件費、車両費、安全管理費などを適切に回収し、ドライバーの処遇や車両整備へ再投資できる経営を目指しています。

また、トラック・物流Gメンによる荷主企業への働きかけなど、長時間の荷待ち、不当な運賃・料金、契約にない附帯作業といった取引上の問題を是正する取組も進められました。

ただし、標準的な運賃は、すべての契約へ自動的に適用される公定価格ではありません。実際に適正な運賃・料金を収受するには、運送会社が原価と作業条件を示し、荷主企業と協議する必要があります。

参考:全日本トラック協会「一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃」


改正物流効率化法による荷主企業の責任明確化

改正物流効率化法では、2025年度から、すべての荷主企業・物流事業者に次の取組が努力義務として求められました。

  • 一回の運送で積載する貨物量を増やすなど、積載効率を向上させる

  • ドライバーが到着してから荷役を始めるまでの荷待ち時間を短縮する

  • 荷積み・荷卸しや検品などの荷役等時間を短縮する

政府が示す目標は、トラックドライバー一人当たり年間125時間の拘束時間短縮、原則として一運行の荷待ち・荷役等時間を計2時間以内とすること、全体の車両の積載効率を44%へ高めることです。

2026年度施行分では、年間取扱貨物重量9万トン以上の特定荷主など、一定規模以上の事業者に中長期計画、定期報告、CLOの選任などが求められます。

物流が現場担当者だけの業務から、経営層が責任を持つ課題へ変わったことは、大きな制度的進展です。

参考:国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト


物流効率化への支援

政府は、次のような設備・仕組みの導入も支援してきました。

  • トラック予約受付システム

  • パレット、フォークリフト、機械荷役

  • 倉庫の自動化・省人化設備

  • 共同配送、混載、拠点集約

  • 中継輸送、ダブル連結トラック

  • 鉄道・船舶へのモーダルシフト

  • 配車・運行管理のデジタル化

  • 宅配ロッカーや置き配など多様な受取方法

設備を導入するだけでは効果は出ません。発注、入場予約、荷姿、検品、納品時間、情報形式を関係企業間でそろえることが必要です。


4.荷主企業に求められた取組

2024年問題によって最も大きく変わったのは、荷主企業も物流改善の当事者として明確に位置づけられたことです。

荷主企業に求められる主な取組は次のとおりです。


発注と納品条件を見直す

  • 直前発注を減らし、輸送予定を早く共有する

  • 発送量・納品量の繁閑差を平準化する

  • 納品日を集約し、小口・多頻度配送を減らす

  • 集荷・納品時間に一定の幅を持たせる

  • 混載、共同配送、帰り荷を組みやすいリードタイムを確保する


荷待ち・荷役時間を減らす

  • 予約受付システムで車両の到着を分散する

  • バース、作業員、フォークリフトを適切に配置する

  • パレットや荷姿を標準化する

  • 事前出荷情報を共有し、検品を簡素化する

  • 受付、接車、荷役開始・終了時刻を記録する


取引条件を明確にする

  • 運賃と待機・荷役・附帯作業の料金を分ける

  • 契約にない作業をドライバーへ依頼しない

  • 燃料費、人件費などの原価上昇を定期的に協議する

  • 安全性、品質、法令順守、継続性を価格と同様に評価する

物流部門だけが改善しても、営業部門が短納期を約束し、調達部門が小口発注を続ければ、効果は限定されます。物流、営業、販売、調達、生産が共通の目標を持つ必要があります。

参考:国土交通省「荷主の努力義務」「荷主の判断基準等」


5.運送会社が進めてきた取組

運送会社には、労働時間を守りながら輸送力と収益を確保する経営への転換が求められました。


長距離輸送の組み替え

一人のドライバーが長距離を往復する運行から、中継拠点で車両や荷物を引き継ぐ中継輸送、交替運転、宿泊運行の見直しなどが進められています。


積載効率と実車率の向上

共同配送、混載、往復輸送を組み合わせ、空車回送を減らします。荷主企業にとっては帰り便を活用できる可能性が広がり、運送会社にとっては帰り荷を確保しやすくなります。


配車・運行管理のデジタル化

配車、車両位置、労働時間、見積もり、請求、運行実績などをデジタルで管理し、電話やFAXによる確認作業を減らします。

ただし、システム導入そのものが目的になってはいけません。空車回送距離、荷待ち時間、積載効率、区間別収益などの指標が改善したかを確認する必要があります。


原価管理と運賃交渉

燃料費だけでなく、車両償却費、人件費、保険料、高速道路料金、荷待ち時間、荷役、空車回送を含めた便別・区間別原価を把握します。

そのうえで、運送の対価と、待機、荷役、附帯作業、高速道路料金などを分けて見積もり、荷主企業と協議することが重要です。


6.消費者・通販事業者に求められる取組

宅配便では、消費者の受取行動も輸送力に影響します。

  • 在宅時間に合った配送日時を指定する

  • 置き配、宅配ロッカー、店舗受取を活用する

  • 急がない荷物では余裕のある配送日を選ぶ

  • 一度で受け取れる場所や連絡方法を設定する

  • 通販事業者は、消費者が多様な受取方法を選びやすい画面設計にする

一件ごとの再配達は小さく見えても、全国で積み重なると、多くの車両、燃料、ドライバーの時間を使います。

消費者へ負担を押しつけるのではなく、利便性を維持しながら、一度で受け取りやすい選択肢を増やすことが重要です。


7.官民の取組をどう評価するか

官民の取組は、次のように評価できます。

評価項目 評価 理由
2024年の急激な輸送混乱の回避 ・一定の成果 全国一律に14.2%の輸送力が突然失われる事態とはならず、国土交通省は以前の需給ギャップのうち約14%を官民の取組の成果等によりおおむね克服したと整理している
荷主企業を含む制度改革 ・大きく前進 ガイドライン中心の段階から、荷主企業等の努力義務、一定規模以上の事業者の計画・報告・CLO選任へ進んだ
荷待ち・荷役時間の削減 ・数値上は前進、なお途上 一運行当たりの時間は従来の約3時間から2025年度に2時間2分まで短縮したが、国の2時間以内という目標にはわずかに届かず、個別には長時間のケースも残る
積載効率・共同配送 ・前進したが途上 共同配送や中継輸送の事例は増えたが、荷姿、納品条件、情報形式の違いが連携を難しくしている
運賃・料金の適正化 ・制度は前進、実収受は途上 標準的な運賃は改正されたが、契約運賃が自動的に上がる制度ではない
ドライバーの労働環境 ・方向性は前進 労働時間管理は進んだが、賃金、採用、定着まで改善しなければ職業としての魅力は高まらない
中小運送会社への定着 ・なお課題 システムや設備へ投資できる企業と、資金・人材が限られる企業で取組格差が生じやすい
2030年への備え ・未完了 平均的な想定でも約7%、厳しい想定では最大約25%の輸送力不足が生じる可能性が残る


※約7%~最大約25%は、国土交通省「2030年度に想定される輸送力不足への対応方針」による全国ベースの複数シナリオです。最大約25%は、特定地域や特定品目の最大不足率ではなく、需要が2019年度の28.4億トン水準となり、供給力が大きく減少する場合の想定です。

総合評価は、「緊急対応としては一定の成果、構造改革としては道半ば」です。

制度をつくり、問題を社会全体で共有したことは大きな前進です。一方、制度ができたことと、すべての現場で待ち時間、収益、賃金が改善したことは同じではありません。


8.「約14%を克服」を過大評価してはいけない

国土交通省は2026年、当初想定されていた2030年度の約34%のトラック輸送需給ギャップのうち、約14%を官民の取組の成果などにより、おおむね克服できたと整理しました。

しかし、同じ資料には「輸送需要も約12%減少」と明記されています。

営業用トラックの貨物輸送量は、2019年度の28.4億トンから、2024年度には25.1億トンへ減少しています。減少量は3.3億トン、減少率は約11.6%です。

計算式は次のとおりです。

(28.4億トン-25.1億トン)÷28.4億トン×100=約11.6197%

小数第2位を四捨五入すると、約11.6%になります。

※減少率は、公表資料に記載された28.4億トンと25.1億トンを用いて算出しています。両数値は小数第1位までの表示値であるため、国土交通省資料では概数として「輸送需要も約12%減少」と表現されています。約11.6%と約12%は、計算方法の矛盾ではなく、表示桁と丸め方の違いです。

運ぶ荷物が減れば、必要な輸送力も小さくなるため、需給ギャップは縮小して見えます。したがって、約14%のすべてを、荷待ち削減、共同配送、デジタル化などによって生み出された効果とみなすことはできません。

また、公表資料では、約14%のうち、需要減少、荷待ち削減、積載効率向上などが、それぞれ何ポイント寄与したかは示されていません。

なお、同資料には、2030年度へ向けて今後用意する施策の効果として、荷待ち・荷役等時間の短縮7.5ポイント、積載効率向上6.6ポイント、新たなモーダルシフト6.4ポイントなど、合計25.7ポイントの内訳が示されています。これは今後の施策によって確保を目指す輸送力の内訳であり、すでに克服したとされる約14%の内訳ではありません。二つを混同しないことが重要です。

正確には、「官民の取組と輸送需要の減少などを含め、以前の試算より需給ギャップが縮小した」と理解する必要があります。

参考:国土交通省「2030年度に想定される輸送力不足への対応方針」


9.運賃・料金の適正化はなぜ途上なのか

輸送力が不足すれば、運賃は自然に上がると考えられがちです。しかし、地域、区間、車種、荷物、季節によって需給は異なります。

車両が不足する区間では運賃が上昇する一方、物量が減少する区間では、限られた荷物を運送会社が取り合い、運賃が上がりにくい可能性があります。

運送会社は、物量が減っても、車両費、保険料、駐車場、運行管理、安全管理などの固定的な費用を負担します。燃料、タイヤ、部品、修繕費、人件費も上昇しています。

この状態で運賃改定が進まなければ、次の悪循環が生まれます。

  1. 原価上昇を運賃へ反映できない

  2. 利益が減り、賃上げや車両更新ができない

  3. 採用と定着が難しくなる

  4. 車両とドライバーが減る

  5. 将来の輸送力不足がさらに深刻になる

官民対策の成果は、輸送件数や待ち時間だけでなく、適正運賃の収受、ドライバー賃金、安全投資、事業継続性まで見て評価する必要があります。


10.2030年へ向けて官民が取り組むべきこと

2024年問題への緊急対応を、2030年へ向けた経営改革につなげる必要があります。

政府に求められること

  • 荷待ち・荷役時間、積載効率、運賃収受状況を継続的に検証する

  • 施策ごとの効果を可能な限り数値で公表する

  • 荷主企業への指導と取引適正化を継続する

  • 中小運送会社のデジタル化、設備投資、人材確保を支援する

  • 地方、特殊車両、温度管理輸送など、全国平均では見えない不足を把握する

荷主企業に求められること

  • 物流を調達コストだけでなく、事業継続の基盤として管理する

  • 荷待ち、荷役、積載効率を数値化し、改善目標を持つ

  • 物流、営業、販売、調達、生産部門を横断して改善する

  • 運賃と作業料金を明確にし、原価変動を定期的に協議する

  • 平時から信頼できる運送会社との関係を築く

運送会社に求められること

  • 便別・区間別の原価と収益を把握する

  • 荷待ち、空車回送、積載効率を継続的に測定する

  • 配車連携、共同配送、帰り荷確保によって車両稼働を高める

  • 荷主企業へ改善案と必要な対価を具体的に示す

  • 効率化で得た原資を、人材、安全、車両、デジタル化へ再投資する

物流効率化とは、運送会社に安く運んでもらうことではありません。無駄な時間、空車回送、重複作業を減らし、一台、一便、一時間が生み出す価値を高めることです。


11.丸共協同株式会社が考える不易流行

丸共協同株式会社は、物流改革には不易流行(ふえきりゅうこう)の考え方が必要だと考えています。

不易とは、変えてはいけないものです。

安全を優先すること。約束を守ること。荷主企業と運送会社の双方に誠実であること。困ったときに支え合うことです。

流行とは、時代に合わせて変えるものです。

配車情報のデジタル化、共同配送、帰り便と帰り荷の連携、輸送データの活用、契約条件の明確化、企業や地域を越えた協力体制です。

2024年問題を本当に乗り越えたといえるのは、単に荷物が届いたときではありません。

ドライバーが無理なく働き、運送会社が適正な利益を確保し、荷主企業が必要な輸送力を継続的に利用できる状態をつくったときです。

荷主企業、運送会社、社会の三方にとってよい取引をつくり、その先の未来にも物流を残す「三方よし・未来よし」が必要です。


12.よくある質問

Q1.物流の2024年問題は解決したのでしょうか

急激な輸送混乱を抑えた点では一定の成果がありましたが、解決したとはいえません。2030年度には、平均的な想定で約7%、厳しい想定では最大約25%の輸送力不足が生じる可能性があります。

Q2.約14%の輸送力不足を効率化で解消したのですか

約14%のすべてが効率化の成果ではありません。国土交通省の資料には、官民の取組の成果などとともに、輸送需要が約12%減少したことも記載されています。

Q3.荷主企業には何が求められますか

積載効率の向上、荷待ち・荷役時間の短縮、発注・納品条件の見直し、リードタイムの確保、運賃・料金の適正化などが求められます。

Q4.CLOとは何ですか

CLOは物流統括管理者です。一定規模以上の特定荷主などで、物流効率化を経営課題として統括し、中長期計画や社内外の調整を進める役割を担います。

Q5.標準的な運賃が改正されれば、運賃は自動的に上がりますか

自動的には上がりません。標準的な運賃は、持続的な輸送に必要な運賃を示す考え方です。実際の契約では、自社原価と作業条件を整理し、荷主企業と協議する必要があります。

Q6.運送会社が優先すべき取組は何ですか

便別・区間別の原価、荷待ち時間、空車回送、積載効率を把握することです。そのうえで、配車連携、帰り荷確保、運賃・料金の見直し、人材や安全への再投資を進めます。

Q7.消費者にも責任があるのでしょうか

物流問題を消費者だけの責任にすることはできません。ただし、置き配、宅配ロッカー、日時指定などを利用して一度で受け取ることは、再配達を減らし、輸送力を有効に使うことにつながります。


13.まとめ

物流の2024年問題を契機に、政府、荷主企業、運送会社、消費者の取組は大きく前進しました。

標準的な運賃の改正、トラック・物流Gメン、予約受付、パレット化、共同配送、中継輸送、モーダルシフト、再配達削減、改正物流効率化法など、物流を持続可能にするための制度と仕組みが整えられてきました。

特に、荷主企業へ積載効率向上、荷待ち・荷役時間短縮の努力義務が設けられ、一定規模以上の事業者にCLOの選任などが求められることは、物流を経営課題へ引き上げる大きな変化です。

一方、約14%の需給ギャップ改善には、約12%の輸送需要減少も関係しています。すべてを物流効率化の成果とは評価できません。

また、制度ができても、適正な運賃・料金を収受できず、ドライバーの賃金、安全、車両、採用へ再投資できなければ、輸送力は維持できません。物量減少が運賃競争を強める問題にも注意が必要です。

2024年問題への取組は、終わった対策ではありません。

緊急的な混乱回避から、荷待ち削減、積載効率向上、適正運賃、人材確保、会社基盤強化を一体で進める構造改革へ移る時期です。

丸共協同株式会社は、これまで積み重ねてきた配車の経験と、新しいデジタル技術や企業間連携を活かし、荷主企業と運送会社の双方が継続できる物流を目指してまいります。

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